複合機には、さまざまな便利な機能があります。
たとえば、通常の給紙トレイでなく「手差しトレイ」を使うことで、はがきをそのまま使用して、複合機でプリントすることもできます。
しかし、手差しトレイを使えば複合機ではがき印刷ができる、とは言っても、実際には使用していないという方も少なくありません。複合機ではがき印刷ができるのに、印刷会社に依頼して無駄なコストを使っている、という会社もあります。
今回は。手差しトレイを使ってはがきにプリントする方法をご紹介します。
オフィス向け複合機でプリントできるはがき
用紙の種類
まず、オフィス向け複合機ではがきをプリントする際は、必ず「普通紙」のはがきを使用してください。
インクジェットプリンター専用の「インクジェット用」はがきも売られていますが、インクジェット用紙は、オフィス向けの複合機では使用できません。
インクジェット用紙は、インクジェットプリンターでの印刷に適したはがきで、表面にはインクが定着するようにコーティングがされています。家庭用プリンターはインクジェットプリンターがほとんどのため、家庭で印刷するのにはインクジェット用はがきが使われます。
しかし、オフィス向けの複合機の印刷は、熱を利用してトナー(塗料)を紙に定着させる方式なので、インクジェット用紙は使用できません。インクジェット用紙を複合機で使ってしまうと、用紙表面のコーティングが溶けてしまい、複合機内のパーツに付着する可能性があります。
もしもオフィス向けの複合機でインクジェット用紙を使用すると、故障の原因になることもありますので、必ず普通紙を使用し、印刷前にはしっかり確認しましょう。
また、もともと印刷がされているはがきや、特殊な加工のされている紙は、トナー方式の複合機での印刷には向いていません。トナー方式のオフィス向け複合機では、特殊なコーティングのない普通紙が、トラブルもなく、いちばんきれいに印刷できます。
「インクジェット用紙」ではなく、「普通紙」のはがきを使用しましょう。
用紙サイズ
ほとんどの複合機では、「100㎜×148㎜」の郵便はがきに対応しています。また、機種によっては「148㎜×200㎜」の郵便往復はがきのサイズにも対応しています。
こうした定型の郵便はがきとサイズが異なる場合には、定型サイズ以外の用紙として印刷することになりますので、うまく印刷するのは、対応している定型の郵便はがきよりもやや難しくなるかもしれません。
複合機ではがきをプリントする
印刷の設定をする
はがきをプリントするには、まずパソコンからプリンターのプロパティの設定を行う必要があります。
[印刷]画面の[プリンター名]のなかから、はがきプリントに使用する複合機を選択、[プロパティ]をクリックしてプリンタードライバ画面を表示します。[トレイ/排出]といった名前のタブの[用紙トレイ選択]から、[手差し]を選択します。次に、[手差し用紙種類]のなかから[はがき]を選びます。
メーカーや機種によって名称が多少変わることがありますが、印刷前には「手差しトレイ」と「はがき」がきちんと選択されているか確認しましょう。
はがきの準備
購入してきたばかりのはがきは、静電気ではがき同士が密着していることがあります。
はがき同士がくっついたままの状態で印刷をしようとすると、うまく紙送りができず、、紙詰まりを起こしてしまう可能性があります。
複合機にセットする前に、はがきとはがきの間に空気を入れるようにして“さばく”ことで、静電気によるはがき同士のくっつきを解消することができます。
はがきが正しくセットされているか確認
手差しトレイの用紙をセットする部分にはがきが正しくセットできていないと、印刷の向きが違ってしまったり、印刷位置がずれてしまったりすることがあります。
お使いの複合機の説明書をよく読んで、はがきを正しい位置にセットしましょう。
また、手差しトレイにはガイドの目印がついていますので、そのガイドに沿ってはがきをセットしてください。セットする位置がガイドからずれていたり、はがきが斜めにセットされていたりすると、紙詰まりの原因になります。
また、一度にセットするはがきの量が適正量を超えてしまっている場合にも、上手く紙送りがされません。手差し印刷のセット部分に、ガイドの目印がありますので、はがきをセットしたら、適正量を超えていないか確認しましょう。
はがきの向きに注意
はがきをセットする際、はがきの上部/下部から複合機に入っていくようにセットする、印刷したい面を上/下に向けてセットする、4通りのセットの仕方が考えられます。
この「はがきのセットの仕方」はメーカーや機種によって異なり、統一されていません。お使いの複合機の説明書をよく読んで、印刷したい面に正しく印刷されるよう、はがきをセットしましょう。
説明書が手元にない場合には、普通紙などを使って、どの面に印刷されるのか試し刷りをしてみても良いでしょう。
まとめ
複合機をお使いの方でも、A4などの定型用紙の印刷だけに使っていて、複合機に備わっている便利な機能をあまり活用していない、という方が少なくありません。
たとえば今回ご紹介したはがきプリントを使えば、DMや年賀状など、はがきのプリントを内製化できるので、手軽にコストを抑えることができるでしょう。