ペーパーレス化が進むなか、大型複合機の使い方もコピー機能からスキャン機能へとシフトしつつあります。シンプルに文字だけプリントされたコピーなら画像の美しさが問題になることは少ないかもしれません。
しかし、最近は文書から写真、設計図など、職場に応じてデータに取り込むケースも増えています。画像ファイルやPDFファイルにデータ化して、パソコンで保存活用したり、メール送信やクラウドで共有化したり、現場や営業でメモリに保存して持ち出すこともあるでしょう。
スキャン機能を重視しながら用途にあった大型複合機を選ぶにはどうすればいいでしょうか。その選び方をご紹介します。
複合機のスキャン機能のポイント
最近の複合機は、充実したスキャン機能を搭載しています。主なスキャン機能は次の通りです。
1.高速スキャンできる
大量の書類を手早くスキャンしたいとき、読み取り時間が非常に重要です。1分あたりモノクロで30枚前後、カラーでも20枚前後でスピーディーに高速スキャンしてデータ化できる複合機が主流になっています。保管文書が多くてペーパーレス化したい職場や窓口で頻繁に書類や身分証明書などのスキャンが発生する企業の業務効率化につながります。
また、カラースキャン機能のある複合機なら、現場で撮影したカメラ写真や営業で必要な画像をカラーでスキャンして保存できるので、効果的なプレゼンテーション資料の作成にも役立つでしょう。
2.パソコンに直接保存できる
複合機でスキャンして、そのままネットワーク上でつながったパソコンにフォルダ保存ができます。外部から受け取った書類のペーパーレス化や手書きでコメントを残して社内で共有する、といった使い方が可能です。
3.USBメモリに保存できる
複合機のUSB端子にUSBメモリを挿入して、スキャンしたデータをそのまま保存できます。急ぎで手元の書類をデータで持ち出すのに便利です。
4.サーバーに直接保存できる
ネットワーク上の複合機からFTPサーバーへスキャン書類をデータとして保存できます。社内はもちろん会社間でグループ作業している場合にメンバーがリアルタイムでデータ共有できます。
5.名刺管理ソフトと連携できる
複合機の機種によっては、名刺管理ソフトと連携しています。一度に複数枚の名刺をスキャンして、自動的に文字データ化。日々たまっていく名刺の整理や大量の名刺を一度に管理したいとき、スキャン機能を使えば簡単に名刺がデータで保存、検索、管理がおこなえます。
スキャン専用機とのちがい
スキャナ専用機はスキャナーとも呼ばれていて、スキャンに特化した機能や性能を持っています。そのため、日常的にスキャン機能を業務で多用する場合は、プリンターとスキャン専用機を使い分けたほうがいいケースもあります。
スキャン専用機には、まとまった枚数の書類を自動で紙送りするドキュメントスキャナーとコピー機でシンプルに複写するときのようにガラス面に原稿を置いてスキャンするスタンドスキャナーの2種類に分かれます。頻繁に大量の文書をスキャンしたい場合は、スタンドスキャナーではなくドキュメントスキャナーのスキャン専用機を選ぶ必要があります。しかし、コピー機のような分厚い書籍や雑誌をスキャンする用途には使えないのがデメリットです。
また、大型複合機もスキャン専用機を選ぶときも解像度がとても大切です。解像度の数字が大きいものほど画像の情報を詳細にスキャンできるので、高精細なデータ化が可能です。
一般的な解像度の目安は、文字ベースの文書ではモノクロで300〜600dpi程度、モノクロのコミックはグレースケールで300dpi、カラー画像が中心の雑誌や写真でカラー300dpi以上です。
画質にこだわらないなら複合機で十分
一般的に使われる解像度はスキャン専用機でなくても大型複合機で十分に対応できます。また、大型複合機は自動原稿送りや両面印刷に対応しているものが大半です。したがって、精巧な画像データを取り扱うような特別な業務でない限り、一般的な職場で大型複合機で十分にスキャン機能を使ったデータ保存が実現するでしょう。
スキャナ機能から選ぶ複合機
スキャン機能から見た大型複合機の選び方を3つまとめてみました。
point1.大判印刷に対応しているか
業務によってA3〜A0といった大きな紙面サイズのスキャナ機能が必要なことがあります。職場のニーズに合わせて、大型複合機がどのサイズまでスキャンや複写に対応しているか確認しましょう。
point2.原稿読み取り速度を確認する
大型複合機選びではよく1分あたり何枚コピーできるかを示す分速(連続複写速度)が話題となります。しかし、スキャン機能では原稿読取速度が重要です。
原稿読取速度は連続複写速度より遅い機種が大半です。カタログをチェックするときに注意しましょう。
point3.ADF(自動原稿送り機能)を確認する
大型複合機は、カバーにADFと呼ばれる自動的に紙送りする機能が搭載されています。一度にセットできる枚数や紙の厚さは機種によって異なります。性能を超えて枚数をセットすると紙づまりや故障などの原因になることも。日常業務でどの程度の枚数や紙厚の原稿をスキャンするのか検討して選んでみてください。
まとめ
大型複合機のスキャン機能は解像度も満足がいき、自動保存に便利な機能がいくつも搭載されている機種が増えています。解像度や保存方式、自動原稿紙送り機能などをチェックして選べば、職場のニーズに適した大型複合機が見つかるでしょう。
これまで以上にペーパーレス化が求められる時代。ぜひ大型複合機のスキャン機能を活用して、書類のデータ化やインターネット上での共有化で業務効率化を図ってみませんか。