コピー機・複合機を選ぶ際に、基準となる物のひとつが「印刷速度」です。
同じメーカーで似たような機能を備えているようでも、価格の違う機種がいくつか用意されていることがあります。大きな違いは「印刷速度」で、価格の高い上位機種ほど、印刷速度も速くなります。
では、可能なかぎり上位の、印刷速度の速い機種を選んだほうが良いのでしょうか?
実は、印刷速度を選ぶ目安とされるものがあり、必ずしも上位の機種を選んだほうが良いというわけではありません。
この記事では印刷速度についてご説明します。最適な機種選びのヒントが見つかるかもしれません。
印刷速度とは?
コピー機・複合機のカタログなどには、「印刷速度」が表記されています。
この印刷速度とは、A4サイズの用紙を連続印刷した際に、1分当たりの印刷枚数は何枚になるかを測ったものです。
この印刷速度が速ければ、印刷効率も高くなりますが、印刷速度が速い機種は本体価格も高価になります。印刷速度は各メーカーで大きな差はなく、一般的には上位機種ほど印刷速度が速くなります。
また、コピー機・複合機を起動して立ち上がるまでの時間、立ち上がってから印刷開始までにかかるなども含めて「印刷速度」と言うこともあります。
コピー機・複合機を選ぶ際には、1分当たりのA4用紙の印刷枚数を指す「印刷速度」から考えることが多いので、今回は主にこの印刷速度についてご説明します。
印刷速度と月間印刷枚数
どの程度の印刷速度の機種が適しているのかを選ぶ目安として、月間の印刷枚数があります。
印刷枚数が少ない事業所で高速印刷ができる機種を導入しても、すぐに印刷が終わって、持て余してしまいます。すこし印刷速度が低くても、手ごろな価格の機種のほうが適していると言えるでしょう。
逆に印刷枚数が多い場合には、印刷速度が低いと業務効率が下がってしまうかもしれません。
だいたいの月間の印刷枚数を見積もり、それを目安に印刷速度を選びます。
オフィス向けのコピー機・複合機導入の目安は、月間印刷枚数500枚以上くらいからと言われています。それ以下であれば、家庭用のものも選択肢に入れてみてもいいかもしれません。
・月間印刷枚数500枚~3000枚程度 → 20枚/分~25枚/分の機種がおすすめ
業務用としては印刷速度は低いほうですが、コピー機・複合機本体の価格が抑えられます。
・月間印刷枚数3000枚~6000枚程度 → 25枚/分~30枚/分の機種がおすすめ
印刷枚数がやや多い場合は、印刷速度もやや早く、価格もやや抑えられる中位機種がおすすめです。印刷枚数がやや多くなってくると、印刷速度が低いことで業務効率が下がってしまう場合があります。
・6000枚以上 → 30枚/分以上の印刷速度の速い機種がおすすめ
印刷枚数がきわめて多い場合には、印刷速度が速い機種を選びましょう。印刷速度が速ければ、大量の印刷も、より短い時間で完了することができます。逆に、印刷速度が低ければ、印刷に時間がかかってしまい、業務の効率を下げることにつながりかねません。
適切な印刷速度の選び方
コピー機・複合機の導入を検討し始めたら、まずは自社の月間印刷枚数を見積もってみましょう。
繁忙期になると印刷枚数が大幅に増えることも考えられるので、月間印刷枚数は余裕を持った数字にしておくことがポイントです。
また、コピー機・複合機は、一度導入したら、すぐに買い替えられるものではありません。近い将来に、業務を拡大する見込みがあるのなら、それに合わせた月間印刷枚数も算出してみると良いでしょう。
月間印刷枚数の見積もりが済んでいるということは、コピー機・複合機の導入後の使用イメージができている、ということでもあります。
適切な印刷速度の機種のなかから、自社に最適な機種を自分で探してもいいですし、コピー機を取り扱う業者に相談するにしても、月間印刷枚数がわかっていればスムーズに話が進むでしょう。
また、具体的な使用イメージができていれば、業者からも適切なアドバイスが受けられるでしょう。
まとめ
コピー機・複合機にとって、印刷速度は重要な要素です。
印刷速度が速い機種には、高い技術が詰まっており、その分、価格も本体サイズも大きくなります。
自社での毎月の印刷枚数を見積もり、すこし余裕があるくらいの機種を選べば、繁忙期にもなんとか対応できることでしょう。
もちろん、より上位の機種を選べば対応範囲は広がりますが、コストを考えると最適とは言えないかもしれません。自社の用途に合った機種を選ぶために、月間印刷枚数を見積もり、そこから最適な印刷速度の機種を選ぶと良いでしょう。また、月間印刷枚数がわかっていれば、業者に頼むにしても、適切なアドバイスを受けることができるはずです。