コピー機・複合機をリースで導入した場合には、長期のリース契約を結ぶことになります。
しかし、時間が経つとなんらかの想定外の事情で、リース契約を終了したいという状況になるかもしれません。
そんなとき、リース契約を途中解約することはできるのでしょうか?また、どのような手続きをすればいいのでしょうか?
リース契約は途中解約できない
結論から言えば、原則としてリース契約は途中解約ができません。
リース契約は、以下のような理由により解約ができません。
◆リースとは、ユーザーの代わりに物品を購入して貸し出す契約
コピー機・複合機のリース契約は、ユーザーが選定した機種を、リース会社がメーカーから代理購入して、ユーザーへ納品されます。
リースはレンタルのような賃貸サービスではなく、購入と賃貸を一括して行うサービスです。期間の途中に解約を希望しても、すでにコピー機・複合機の購入をしているために、リース会社への支払い義務は残ります。
◆リース会計基準に定められている。
リース会計基準には、リース取引に関する項目が細かく規定されています。その中で「リース(ファイナンス・リース)は中途解約不能、フルペイアウトであることが条件」と明記されています。
フルペイアウトとは、「リース期間内の支払いリース料の合計が、そのコピー機・複合機を購入するために必要な金額の90%以上」であることを言います。
リースの悪用を防ぐためにも、こうした条件が定められています。
リース契約を終了する方法
コピー機・複合機のリース契約では、原則として途中解約はできません。しかし、リース契約の内容などによっても異なりますが、リース契約の期間中に契約を終了する方法がいくつかあります。
◆ 残りの未払い料金を支払う
リース会社はリース開始時に、複合機・コピー機をメーカーから代理購入しているので、複合機・コピー機の料金をユーザーに支払ってもらう必要があります。そのため、どうしても複合機・コピー機の解約が必要なときは、残りの未払い料金を支払うなどの条件で、解約が認められる場合があります。
未払い料金の支払いで解約ができるかどうかは、リース契約の契約書に、「複合機・コピー機の残金を支払えば、途中で解約ができる」という内容が明記されていることがあります。そのような項目が見当たらない場合には、リース会社に直接問い合わせをして確認しましょう。
◆「不均等払い」を利用し、早めにリース料金を払い終える
リースの契約書で、「不均等払い」について承諾している文言がある場合には、この不均等払いを利用する方法があります。
「不均等払い」とは、リース料金を一定に支払い続けるのではなく、借り手の状況に応じてリース料金の増減ができるという支払い方法のことです。たとえば会社の業績に余裕があるときは支払い金額を高くすることで、支払い期間を短くすることなどが可能になります。
この「不均等払い」を利用して、リース料金を早期に払い終えて、リース契約満了する、という方法も考えられるでしょう。
◆ 違約金支払い
リース契約によっては、解約するための違約金支払いが義務付けられている場合があります。
前述の「残りの未払い料金」を違約金としているケースもありますが、違約金のないようについてはリース会社や契約によっても異なります。
リース契約の契約書に、違約金についてはどのように明記されているか、契約締結前に、きちんと把握しておきましょう。
リース期間中のコピー機の入れ替え
リース契約を途中解約したい理由が、現在の機種では性能不足になってきたために新機種に入れ替えたい、ということであれば、リース契約を終了する必要がない場合があります。
リース中のコピー機から最新機種に入れ替える場合には、現在のリース契約を組み替えることで、新しい機器を導入することができるケースがあります。
この場合、従来使用していた旧機種も、リース開始時にリース会社が代理購入しているために、旧機種の購入代金の残りを支払う必要があります。しかし、同じリース会社を利用してコピー機・複合機の入れ替えを行えば、特別な違約金などは必要ないでしょう。
新機種への入れ替えでも、リース会社によって対応方法が異なります。契約しているリース会社へ問い合わせ、新機種への入れ替えは可能か、新機種のリース料、旧機種の残りの支払い料金等を確認しましょう。
まとめ
コピー機・複合機のリース契約では、ユーザーが使用する機種をリース会社が代理購入して貸し出すシステムのため、原則として途中解約はできません。
リース期間中にリース契約を終了したい場合には、残りの未払い料金を支払ったり、不均等払いを利用するなどして、早期に支払いを済ませてリース契約を終了することになります。また、契約によっては違約金が必要な場合もあります。
もしも契約終了や新機種への入れ替えが必要になったら、リース会社へ相談しましょう。
リースはユーザーにとって、とても便利な制度ですが、途中解約のできない長期の契約なので、しっかり検討して計画的に利用しましょう。