複合機の導入や乗り換えを検討する際にとても重要な「保守契約」。
印刷速度や仕上がり、価格などは調べることである程度わかっても、保守契約は種類も多くなかなか内容や注意点まで把握出来ずにお困りではないでしょうか。
そこで今回は大手複合機メーカーでの業務経験のある筆者が、保守契約時必ず気を付けなければならない注意点についてお伝えします。
実際にあった「こわ~い話」もまじえてお話しますので、保守契約で起こりえるトラブルやリスクについてもある程度イメージ出来るのではないかと思います。
これを見落とすと重大な損失に繋がりかねないので、ぜひ確認してみてくださいね。
保守契約とは
仕事に欠かせない機械だからこそ、故障して突然使えなくなってしまったらとても困りますよね。
ただ印刷をするだけの昔のコピー機と違い最近の複合機は出来ることも多岐にわたっていますので、複合機が止まってしまうと業務自体が止まってしまうということも考えられます。
そんな時に業者が駆けつけて修理をしてくれたり、電話などリモートでサポートしてくれるのが「保守契約」です。
修理以外にも定期メンテナンスやトナーなどの消耗品交換をしてくれる場合もあり、また保守契約を結ばずに修理依頼をした場合かなりの金額になってしまうこともあるため、大体の場合はリースなどの契約時に保守契約を一緒に結ぶのが一般的です。
保守契約のポイント
複合機導入を検討する際避けて通れない保守契約ですが、「複合機が使えなくなった際、複合機で行っていた業務をすぐに再開出来るか」が重要なポイントになります。
この点、「いかに早く故障対応をしてくれるかがポイントです」とザックリ説明されてしまっていることが多いですが、もう少し踏み込んで考える必要があります。
なぜなら、複合機が使えなくなる状況というのは紙詰まりや印字不良だけではないからです。
次で実際にどういったケースがありえるのか、実話をまじえてご説明します。
実際のケースを想定せずに保守契約を結んでしまうと、思いもよらない損失に繋がる場合があるのでしっかりと確認しておきましょう。
保守契約の実態と注意点
ここでは先程お話した、複合機が使えなくなるケースについてご紹介したいと思います。
筆者が実際に目の当たりにした保守契約の実態もまじえながら、それぞれ気を付けるべきポイントも書きますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
『パソコンが関わると取り合ってもらえない!?』
故障以外で複合機が利用出来ないケースの代表例としては、パソコンとの接続トラブルが挙げられます。
業務用パソコンの入れ替えなどを行った際、急にパソコンからプリントが出来なくなることがありますよね。
そういった場合にも保守契約内で解決をしてほしいところですが、契約内容によっては「パソコン上の設定などのサポート」と「複合機の故障修理」が別になっているケースがあります。
プリントが出来ない場合も仕事が止まってしまうことに変わりはないので、パソコンの設定含めサポートしてくれるかしっかりと契約内容を確認するようにしましょう。
『トナーがなくなったのに届けてくれない!?』
もう一つの故障以外での複合機停止の例としては、消耗品(トナー)切れによる停止が挙げられます。
基本的に保守契約にはトナー配送が含まれていますが、一時的な大量消費でなくなった場合や何らかの理由で破損して使えなくなった場合に新しいトナーをすぐ届けてくれるかどうかは要確認です。
『24時間契約を結んでいるのに翌日対応!?』
24時間の保守契約を結んでいるのにも関わらず夜間すぐに対応してもらえないケースも起こりえます。
これはなぜ起こるのかというと、保守業者の拠点の数や位置に起因します。
翌日の担当の方が都合が良いからと、そちらに回されて翌日対応になってしまうケースです。
または実際に物理的な距離の問題でそもそも到着までに時間がかかる場合もあり、これは日中でも同じことが言えるので注意が必要です。
こういった事態を避けるためにも、保守拠点の位置や夜間対応についても出来るだけよく確認するように気を付けましょう。
『修理出来るのが1週間後!?』
翌日まで仕事が止まってしまうというだけでも大きな損失に繋がりますが、完全に直せるのが1週間後になると言われることもありえます。
これはパーツ交換が必要な修理で、保守拠点でパーツの用意が出来ていない場合に発生します。
このような場合にすぐに代替機を出すなど措置を取ってくれるかどうかも、確認しておくべきポイントと言えます。
まとめ
最後に改めて保守契約でのポイントと注意点についておさらいしましょう。
保守契約のポイントは
◎「複合機が使えなくなった際、複合機で行っていた業務をすぐに再開出来るか」
保守契約で確認すべき注意点は
〇パソコンの設定含めサポートしてくれるか
〇緊急時にトナーを配送してくれるか
〇保守拠点は近いか、間違いなく夜間もすぐに対応してくれるか
〇長期修理の場合代替機の貸し出しなどがあるか
いかがだったでしょうか。
今回は複合機契約時に気を付けるべき「保守契約」について、実話を踏まえてお伝えしました。
保守契約と言っても様々な種類があり、それぞれの内容についてしっかりと確認をしないと大きな損失に繋がる可能性があります。
もちろん対応範囲が広くなればなるほど価格も高くなりますので、今回のお話を踏まえてご自身の求める保守範囲について改めて考えてみてくださいね。