はじめに
コロナ禍や労働人口の減少によりビジネスを取り巻く環境変化は日々移りかわっています。
また、働き方改革による生産性の向上や従業員のワークライフバランスの確立など、これから企業として生き残るために乗り越えなければならない問題が山積となっている。
その問題の解決策の切り札として大企業はもちろんのこと中小企業においてもDXを導入する流れになりつつあります。
そして今回の記事ではこういったDXに対しての乗り越え方について話していきますので最後まで読んでみて下さい。
それではまずはじめにそもそもDXとはについて話していきます。
DXとは何か?
ビジネスの視点においてトレンドになりつつある『DX』ですが業務を遂行する上で身近な存在である『複合機』でDXを体感できるのです。
まず前提ですが、そもそもDXとは何でしょうか?
DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語です。
スウェーデンのエリック・ストルターマン教授が2004年に以下の概念を提唱しました。
『進化したデジタルを活用して暮らしやビジネスに変革を起こす』
まずはじめに『進化した』デジタルというのがミソだと思います。
具体的にはこう表現できるのではないか。
『事務員に代わって転記作業を自動的に行ってくれるシステム』
『FAXを受信した注文書の内容を自動的にデータ化するシステム』
このように今まで事務機や一般的なシステムを利用して、人の手で行ってきた作業を自動で行ってくれる。
このしくみがDXとして捉えられています。
ビジネスになくてはならない存在
コピー機や複合機はビジネスの中心的役割を果たす存在ですよね。
そのため複合機なしでは業務が成り立たないことは皆さん周知の通りだと思います。
例えばweb-EDIが世の中に登場して相当経過した現在においても、お客様からの受注対応はwebからだろうか?
それとも電話からでしょうか?
いいや、依然として複合機へのFAX受信でという会社が大多数だと思います。
中小企業ならなおさらですよね。
そこから転記またはデータ入力をして受注データとして処理する。
そして入出庫管理や売上処理を行っていくということが多くの会社で実践されているワークフローでしょう。
つまりお客様からの注文を複合機で受けることによりビジネスが生まれます。
複合機各社はそこに着目してビジネスに変革をもたらすべく複合機と連動したOCRやRPAなどのDXソリューションをリリースしている。
それらをここから紹介していきます。
複合機がもたらすDX(1)〜OCR
OCR(光学文字認識)とはその名の通り文字を光学的に認識しデータ化するしくみのことです。
これについいては過去の記事でも何度か取り上げたことがあるのでご存知の方も多いのではないでしょうか?
具体的には文字認識させたい印刷物を複合機でスキャンするだけで、範囲を定めた文字をデータ化するということが可能になります。
主要なメーカーの複合機ではオプションとしてOCR機能を搭載することが可能です。
そして複合機メーカーによっては単に文字認識して検索をかけたりする簡易的なものもある。
またFAX受信をOCRで文字認識し、データ化したものをシステムに落とし込むRPAと呼ばれるしくみまでを提供している会社もあります。
なお、OCRを実行するにはあらかじめ登録したフォーマット(外枠)を複合機でスキャンし、文字認識する範囲を定める前準備を行う必要があるのです。
複合機がもたらすDX(2)〜RPA
少子高齢化により労働人口は下降の一途を辿っています。
『求人がなかなか集まらない』
『採用しても良い人材が集まらない』
どこの会社も人手不足には頭を抱えているはずです。
また人の手をカバーする『業務の自動化』は、今後企業として生き残るためには必要不可欠であり、実現化に向けて迅速な対応が求められています。
その『業務を自動化』するしくみのことをRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼んでいる。
そして先述のOCRと複合機とを組み合わせることで革新的なワークフローを実現できます。
リコーはWinActor、BizRobo!、Automation Anywhere、UiPathなどのソフトウェアを駆使したRPAサービスを提供中。
- 複合機からFAX受信したものや顧客からきた請求書をスキャンしデータ化したものをシステムに取り込む。
- 2つ以上のデータに対してチェック作業を行う。
- エクセルやEDIのデータを転記しシステムに取り込む。
こういったルーチンワークを自動化、しかもミスなく迅速に行うことができます。
それにより工数が削減できるほか、ルーチンワーク以外の『人の判断が必要な業務に注力する』ことができるメリットもある。
もちろん長所ばかりではなく、エラーや例外処理といったイレギュラーな対応はできないという短所もあります。
導入時にはしっかりと業務のフローを吟味した上でルール作りを構築する必要がある。
また、複合機とRPAとのソリューションにかかるコストと、削減できる工数およびエラーが発生した場合のリカバリーの発生率ならびに工数を算出し費用対効果を見極める必要もあります。
先ほどのOCRの記述ではフォーマット作成が必要だと説明しました。
ただ最近ではAI-OCRと呼ばれる、フォーマットを作成しなくても、対象物を読み取るだけで自動的に項目を抽出してくれる『AI OCR』なる仕組みもあり、AI OCRとRPAを組み合わせた商品もリリースされています。
複合機メーカーとしてはキヤノンが『クラウド型AI OCRソリューション CaptureBrain』、リコーが『RICOH Cloud OCR for 請求書』と『RICOH Cloud OCR for 納品書』と複合機と連携したソリューションを提供しているのです。
他の主要複合機メーカーも関連した商品を販売しており、複合機とDXとのソリューション展開は今後ますます活況を呈することが予想されます。
終わりに
中小企業がそのDX戦略を実現するために一番カギとなるツールが『複合機』であることは理解頂けたでしょうか?
DX導入は企業規模に関わらず避けては通れない壁であり、複合機がそれを解決に導いてくれるはずです。
コピー機や複合機はなくてはならない存在であり、これからも複合機は進化を続け、ビジネスの中心となり続けていくことでしょう。
今日の内容が何かのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。