複合機のリース契約と言っても大きく3種類に分けることができ、自社にとってのコスパを最大にするには、それぞれのリース契約の特徴を知る必要があります。
もし知らなければ、無駄なコストをかけてしまう結果になりかねません。
そこで当記事では、複合機リースの契約タイプ3つについて、その特徴をわかりやすく説明します。
この記事でわかること
・複合機のリース契約とは何か
・契約タイプ別の複合機リース契約の特徴
複合機のリース契約とは?レンタルとの違いは?
複合機リース契約とは、以下のようなものを言います。
①契約者(賃借人)が使いたい複合機を
②リース期間中にリース会社が賃借人から購入資金をすべて回収することを条件に
③リース会社が購入し
④複合機を契約者(賃借人)に貸与する
レンタル契約と違うのは②の部分が契約内容として定められるという点です。
このリース契約は、大きく3種類に分けることができます。
・ファイナンス・リース・・・金融性重視
・オペレーティング・リース・・・賃貸借性重視
・その他の特殊なリース契約
ということで、それぞれ詳しく見ていきましょう。
金融性重視のファイナンス・リース契約
ファイナンス・リース契約とは金融性を重視したリース契約ですが、これは、このリース契約を「設備機器導入のための資金調達手段」と捉えることができるからです
ある事業者が複合機を使いたい、でも資金に余裕がない。
そんな場合に、どこからか資金を借りて複合機を買うのではなく、リース会社に希望の複合機を買ってもらって、それを賃借する、という形を取るわけですね。
これがファイナンス・リース契約の骨子です。そのため、ファイナンス・リースは、以下の2点を満たす必要があります。
・ノンキャンセラブル
・フルペイアウト
ノンキャンセラブルというのは、途中でキャンセルできないということです。中途解約不可。途中でキャンセルされては、リース会社は複合機購入資金を回収できませんから。
フルペイアウトというのは、複合機リース契約によってリース会社が負担したコストのすべてを、賃借人が支払うということです。
すべてのコストというのは、複合機の購入代金だけでなく、保険料や税その他が含まれます。
さて、ファイナンス・リースというのは更に以下の2種類に分けることができます。
・所有権移転外ファイナンス・リース
・所有権移転ファイナンス・リース
複合機の所有権が移るかそうでないかの違いですね。以下に詳しく見てみましょう。
所有権移転外ファイナンス・リース
こちらは所有権移転「外」と言っているわけだから、所有権は移りません。リース契約が終わったら、複合機はリース会社に返却するのが条件となっている契約です。
リース契約期間満了後も複合機を使いたい場合は、再リース契約するか、新たな条件で新規リース契約をする必要があります。
「借りたものを返す」ということで、現在最も一般的なリース契約です。
でも「複合機のコストは全額負担するのだから、リース契約が終わったらその複合機は自分のものにしたい」と考える人がいても当然ですよね。
そういう場合、次の契約タイプがあります・
所有権移転ファイナンス・リース
こちらはつまり、リース契約が終わったら、リース会社から賃借人へ、複合機の所有権が移ることを条件とした契約です。
複合機の耐用年数が長く、「リース契約が終わってもまだ十分使える」という場合は、こちらの契約タイプが選ばれることが多いです。
複合機のコストを賃借人が全額負担したのだから、賃借人が最後まで使い尽くすというわけですね。
賃貸借性重視のオペレーティング・リース契約
賃貸借性重視ということで、リース契約の中でも少しレンタルに近いものとなります。
「賃借人が使いたい複合機を、リース会社が購入して貸し出す」
という部分は、ファイナンス・リースと同じです。
では何が違うのかと言うと、
「所有権は完全にリース会社のもので、リース契約満了後、リース会社がその複合機を中古品として売るのも、再賃貸するのも自由」
というところです。
それで賃借人の方にどんなメリットがあるのかと言うと、リース契約が終わった後も複合機は中古品として価値を持ち、その価値はリース会社のものなのだから、その分をリース料金から割り引いてもらえる、という点です。
単純に言うと、たとえば10万円の複合機をリースするとして、リース期間満了後、中古として3万円で売れるなら、賃借人は7万円しか負担しなくていい、ということです。
また複合機の所有権は完全にリース会社のものということで、複合機にかかる保険料なども、リース会社負担となります。
その他の特殊なリース契約5つ
ここまでは主なリース契約として、ファイナンス・リースとオペレーティング・リース、2つを見てきましたが、この2つ以外にも特殊なリース契約として、以下の5つがあります。
・転リース
・リースバック
・購入選択権付リース
・メンテナンスリース
・不均等払リース
以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。
転リース
転リースというのは、その名前から想像できるとおり、「借りているものを更に他の人に貸す」ことです。
つまり、リース契約で借りている複合機を、別の企業に賃貸する契約を転リースと呼びます。
リース契約には審査が必要ですが、リース審査を通過できない企業に複合機の貸与を行いたい場合に転リースが行われることがあります。
たとえば親会社から子会社へ貸したり、取引先の企業へ貸したりなど、関係の深い企業との間で行われることが多いです。
リースバック
リースバックは、「セールス&リースバック」とも呼ばれます。
これは「複合機がほしい」というより「資金がほしい」時に行われます。
すでに自社で購入している複合機を、リース会社に売却、その後すぐにその複合機のリース契約を結んで賃借する、というものです。
「質入れ」に似ていますが、複合機は引き続き使えるというのが大きな違いです。
自社資産を現金化したい場合に行われることがあります。
購入選択権付リース
これは、リース満了後に、賃借人が、複合機を買い取るか、それとも二次リースによりリース契約を継続するかを選べるリース契約です。
リース契約満了後に複合機をどうするか前もって決められない場合に購入選択権付リースは適しています。
また、買取価格は事前に決められるため、その価格分はリース料金が安くなるというメリットもあります。
メンテナンスリース
これは、リース会社が複合機を貸すだけでなく、複合機の保守や管理、修理も行うという契約です。
リース契約と保守契約を一つにすることで、リース会社はリース料金だけでなく、保守に関わる料金も受け取ることができます。
不均等払リース
これは名前のとおり、賃借人がリース料金を不均等に払うものです。
たとえば起業直後で資金が足りない間はリース料金を安くし、事業が軌道に乗ると予想される時期からリース料金を高くする、といった方法がとられます。
複合機リース契約の種類と特徴:まとめ
主なものから特殊なものまで、複合機リース契約を8種類見てきましたが、どれを選べば有利なのかは自社の資金繰りやリース満了後の予定によってさまざまです。